SSブログ

扇辰日和VOL.59 [落語]

扇辰日和VOL.59
於:中野 なかの芸能小劇場

入船亭辰のこ『代書屋』
入船亭扇辰『藁人形』
首藤幹夫 スライド上映『少年期の精密すぎる記憶について』『残光』
入船亭扇辰『抜け雀』

神楽坂から中野へ移動。
少し時間があったので昼食を摂るために途中の高田馬場で少しうろうろ。
鳥メインの居酒屋でランチをやっているのを見つけ、焼き鳥丼やチキン南蛮に心を奪われつつもついチキンカツ定食を頼んでしまう。
チキンカツは大好物なのだが、カロリーやら塩分やらで退院してからこっち、ずっとガマンしてきた。体重も順調に落ちてることだし、たまにはいいかと頼んでみたところとんでもなくデカいチキンカツが出てきた。こりゃーすげー。
うまいうまいと食っていたもののなかなか減らず、さすがに胸やけ寸前。いやー食った食った。久しぶりに腹パンパン。で、22時現在全然腹減らない。油ってすごいね。

扇辰師、すごく久しぶり。いろいろ重なったりとか札止めだったりとかで、「扇辰日和」自体が1年ぶり。いかんなー。もっと聴きたいんだけど。

辰のこさん、先日聴いた志ん陽師と似た形。
以前は原稿を棒読みしてる感が強かったのだが、だいぶこなれてきた感じ。来年には二ツ目昇進とのこと。
この扇辰日和で初高座で、それも聴いたなー。

が、扇辰師にしたら「辰のこはまだまだだねえ。なんで代書屋の親父がだんだん巻き舌になるのかね」と手厳しい。
まあ小辰さんのときもそうだったし、ホント弟子を褒めないなー。でも扇辰師のHPの掲示板で小辰さんが褒められていたら、「とても嬉しい」と扇辰師の返信が書き込まれていた。小辰さんも「師匠を褒められると自分が褒められるより嬉しい」と言っていたし、師弟愛を感じる。テレ隠しなのか。
今日は会場までタクシーできたそうだが、扇辰師がネタをさらっていると辰のこさんも隣でブツブツ。「こいつも話をさらっているのか」と思っていたら大声で「セーネンガッピ!」(だったかな)と声を張り上げ、「うるせえー!」と雷が落ちたらしい。
で、タクシーの運転手に「噺家さんですか?」と聞かれ、扇辰師はなんとなく「そうです」と答えるのも嫌だったので「いや、違いますよ」と答えたのに辰のこさんが胸を張って「はい!」と答えたそうだ。「あいつは空気が読めない」とまたお小言。

プログラムでは一席めがネタ出しの『抜け雀』だったのだが、「深い意味はないけど順番変えます」と先に『藁人形』を。
これは扇辰師が二ツ目に昇進したばかりの頃に、師匠の扇橋師が赤旗まつりでかけた噺なのだそうだ。屋外ステージで周りの喧騒が伝わる中、しかも笑いどころの少ない噺にもかかわらず、客は静かに聴き入っていたそうで、「ああこの人に弟子入りしてよかった」と感じたそうだ。
師匠の一周忌が近づいたこの時期の独演会にこの噺をかけるのも師弟愛なのだろう。
西念という坊さんを騙す噺なのだが、花魁や牛太郎の態度が豹変する様が恐ろしい。
つーかこれ千住の噺なんだよなあ。うちは千住の花街だったところのすぐ近くなので、ご近所が舞台なんだな。

首藤氏は2台のフィルムスライドを使った写真の上映。曲に合わせて写真が切り替わる。
2台使用しているので写真が重なりあっており、スライドなのにフェードイン・フェードアウトの演出がされている。どうやっているのかと思ったら、徐々に片方のスライドに手をかざしたり手をどけたりすることによって表現しているようだ。
どうやら手のかざし方によっても表現が変わるらしい。デジカメではできないアナログさが面白い。

そしてネタ出しの『抜け雀』。「蔵出し」と書かれてたということは、ネタおろししてからほとんど演ってなかったってことかな?
人のいい宿屋の主人と、横柄な絵描きとのコントラストが楽しい。
また、絵描きの父親の凛とした佇まいも扇辰師の姿とぴったり合っていて美しい。

この後に亀戸で一之輔師の会と、日本橋で小辰さんの会があって、どちらに行こうか迷っているうちにどちらも予約がいっぱいになるという大失態。
まあ一日に3つの会をハシゴするってのはさすがに疲れるからいいんだけどさ(という強がり)。
一日で親子をハシゴってのもやってみたかったなあ。
nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:芸能

nice! 0

コメント 2

あべし

こんばんわ。
18日は行きたい会が多々あり、悩ましい日でした。

宮治さんの早朝、深夜。
どちらも行きたかったのですが断念しました。

まだ私は落語会のハシゴをした事がありません。
集中力が持続しないんです。

初めて亀戸寄席へ行きました。

空調の故障でエアコンが効かず。
窓を開けても風もなかなか入らず。
(虫は入ってきました)
夕暮れの西陽が会場を熱く刺し。
窓を開けてるから、外の騒音も厳しく。

何人位入る会場なのかな?100人くらいかと思ってましたが
実際はかなり大きな場所で、200~300人位は収容出
出来たのではないか?と。しかも満席。

夜7時くらいまで、神社で小さい子の遊ぶ声が凄いし、
(親は何してるんだ!と。)
暑いせいか、救急車が何台も通り。

と、なかなかの悪条件でしたが一之輔師は
奮闘してました。

そんな条件下の中の青菜はピッタリだったと思います。
また暑い季節が来たというのを実感しました。

海外公演用の手ぬぐいが買えたのは
思いがけないラッキーでした。
by あべし (2016-06-19 03:05) 

Macky

>あべしさん

こんばんは。いつもありがとうございます。

ハシゴ、私は結構しますが、やっぱりさすがに疲れますね。
特に次の会までの間隔があまりないと、せっかく大ネタをたっぷりやってくれているのに上の空になってしまったり。
多分亀戸寄席に予約できていたら、扇辰師の『抜け雀』も心の底から楽しめなかったように思えます。
4時半までみっちりと演ってくれたので、バイクで中野から亀戸まで1時間で着けるかどうか。

一之輔師は『青菜』ですか。
お聞きすると本当に噺の世界そのものの状況ですね。さぞ真に迫っていたのではないでしょうか。
おかみさんを「タガメ」呼ばわりするくすぐりは秀逸だと思います。

今年も欧州公演行くんですよね。すげえなあ……。
by Macky (2016-06-20 01:28) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0