SSブログ

第十一回 ワザオギ落語会 [落語]

第十一回 ワザオギ落語会
於:国立演芸場

柳亭こみち『饅頭こわい』
春風亭一之輔『館林』
林家正蔵『一文笛』
三遊亭兼好『紙入れ』
柳亭市馬『笠碁』

最近の仕事の疲れか、昼過ぎまで寝てしまう。久しぶりにスッキリした。

こみちさん、マクラで「私はこの会は初めてなんですが……会場には開演一時間前に入ったらあの一之輔兄さんがもう来ているんです。兼好兄さんの荷物もあって、お弟子さんがいらしたので聞いてみたら『地下で稽古しています』と……。この会なにかあるんですか……?」と驚いている。映像として残るからかなあ。
こみちさんは久しぶりに聴くが、相変わらず歯切れのいい話しっぷり。
江戸っ子たちのわいわいとした話し合いもなんかどこか女子会っぽい感じに。

一之輔師、「近頃おかしい人が多くて怖い」と語る。先日のドイツの副操縦士を挙げ、見ただけじゃわからないと嘆く。「航空会社も機体に書いとけばいいんじゃないですかね、『この飛行機は心に闇を抱えた人が操縦しています、半額でよければどうぞ』って」。
噺家にもおかしい人はいる、と話す。「ウケないと『なんで笑わないんだー!』って包丁持って客席に降りて行く人。誰とは言わないけど数えただけで5人はいます。今日もいます。その人は仲入り後に出てきて高い声で挨拶しますから気をつけた方がいいですよ」と風評被害を流す。
「息子が『落語家になりたい』って言い出したんですよ」。会場から歓声と拍手が起きる。「なんでなりたいんだって聞いたら『楽そうだから』って。いろいろ大変なんだって言ったら『具体的には?』って聞かれて何も答えられなかった」そうだ。「でもダメって言ったんですよ。親子で落語家で楽しそうなのはひとりもいない。……今日出てる人は除いてですよ!」とここで正蔵師がTシャツのジーンズで乱入。「ここで降りてやろうかな、着替える時間がなくなる。へへへ」と悪巧み。
噺は普段はもちろん上の人から稽古をつけてもらうのだが、たまには立場の近い人と教えあったりするという。先日兼好師から噺を教わったそうだが、「面白い噺するだと思ったので教わったんだけど、自分でやってみると面白くないんです。あれは兼好師匠が演るから面白いんですかねえ……今日はそのつまらない噺をします」。
確かに『館林』は兼好師でしか聴いたことがない。一之輔師の八っつぁんは兼好師よりも振り切れっぷりがすごい。なるほど兼好師とはちょっと違うが、いかにも一之輔師っぽくてこれはこれで面白い。

正蔵師、一番弟子のたけ平さんの真打昇進を報告。名前も変えずにそのままで昇進するという。弟子入りの思い出などをしみじみと語る。
噺は先日亡くなった米朝師のネタらしい。もちろん聴くのは初めて。
スリの噺で、話が二転三転して単純にストーリーとしても面白い。

兼好師、頭を下げて「ようこそおいでいただきまして……」と挨拶したところでクスクスと笑いが巻き起こる。「別にウケなくても包丁は振り回しませんから」と一之輔師のネタを受け流す。
「人から教わった噺をもっと面白く話すとか」とそのまま一之輔師に触れる。
「今日は私以外全員落語協会で……それはいいんですよ、割とあることなんで。でも今日は会長と副会長に挟まれているという……。そうなると『あの』一之輔くんでさえ、いつもはお腹いっぱいになったオスライオンみたいにぐでーっとしてたまに前座さんに『ガオー』って威嚇しているだけの一之輔くんでさえ、楽屋に入るときは『おはようございます!』、高座に上がるときは『お先に勉強させていただきます!』と……まったくしないんですよ」といじり返し。そこにステテコ姿の一之輔師が乱入。「ガオー」と威嚇しながら引っ込む。仲良いなあ。
噺は相変わらず軽妙でこれでもかとばかりに笑わせにくる。
オチ直前のおかみさんのネットリとした妖艶さがおかしい。
ワザオギのCD販促折込には兼好師について「往時の古今亭志ん朝を思わせる」と書いてあって、すごい評価。いやもちろんファンとしてはそうなって欲しいんだけれど。

市馬師、今日は五代目小さん師の十三回めの命日らしく、師匠の思い出話をマクラに。
80歳を過ぎても世間で流行っていることを「今の一之輔みたいに」盛り込もうとし、「なめ猫が流行っているときには猫が出てくる噺で猫に『なめんなよ!』って言わせた。お客様はまさか小さんがそんなことを言うと思わないから、シーンと水を打ったようになって……。あの顔がみるみる真っ赤になってあとはグダグダ」と楽しそうに話す。
噺は頑固爺さんたちの意地の張り合いが楽しい。喧嘩をしながらもガチではなくどことなくお互いがお互いを慮りながらも引っ込みがつかなくて、という印象。
まさに「ザ・柳家」というような本寸法を聴かせてもらえた気がする。まあそこまで詳しくはないんだけど。

明日は兼好師の神奈川宿落語会、遊馬師の遊馬百席、一蔵さん小辰さんのらぐろ亭、天どん師がトリの黒門亭が14時15時に集中してバッティング。これだけ追っかけてる人がぶつかるのも珍しい。
……が、大学時代の部活の同窓会が入ってどれも行けず。身体が複数あればなあ。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:芸能

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0