五月猫同窓会 [落語]
五月猫同窓会
於：なかの芸能小劇場
三遊亭けん玉『十徳』
寒空はだか 歌うスタンダップコミック
三遊馬萬橘『寿限無』
柳家小せん『人形買い』
春風亭百栄『キッス研究会』
三遊亭兼好『厩火事』
「五月猫」と書いて「ごがつびょう」と読むらしい。
もともとGWに高円寺のノラやで開かれていた会で、今年はなかの芸能小劇場がとれたため、歴代の出演者を集めて「同窓会」としているそうだ。
まずは主催者のひとりである恩田えりさんがご挨拶。
出演順がまだ決まっていないということで、出演者が全員私服のまま舞台へ上がり、くじ引きをする。
そののち出演順に一言自己紹介をして袖に引っ込む。
「漫談の寒空はだかです」
「漫談の三遊亭萬橘です。本当は落語家です」
「ミュージシャンの柳家小せんです」
「スタンダップコメディの春風亭百栄です」
「くじ運の弱い三遊亭兼好です」
いろいろと虚実入り乱れ、「初めてきた人のために」紹介をしているはずなのに余計ややこしくして開演。
まずは前座でけん玉さん。前はいろいろな噺を聴いていたが、最近は『十徳』に当たることが多い。
だいぶ固まったようで、以前に聴いたものとほぼ寸分違わず。
なにか工夫をする、というのはまだ早いのだろうか。
寒空はだか先生、「いつもくじで一番を引く」といい、過去に『爆笑オンエアバトル』に「映ったことがある」そうだが、そのときも5回中3回一番手だったらしい。
「ドラフトだったらすごいこと」らしいが。
コロコロと話題は変わっていき、最後は『東京タワーの歌』で締め。
最初から客席から手拍子がきたことにやや戸惑っている様子。「この歌は最初から手拍子が入るような歌じゃない。最初は客席が『これどうすればいいんだろう』と困って、2番からようやく手拍子が入るようなもの」とのこと。そんなこと言われましても。
萬橘師、名前をつけるところまでは普通の『寿限無』。
そこからは小学生くらいに成長した寿限無くんが「なんでこんな名前にしたんですか」と両親に食って掛かる噺に。
「なんで『寿限無寿限無』って繰り返すんですか」とか「パイポってなんですか。どこの国ですか。調べたけどそんな国ないじゃないですか！」とか「『食う寝る処に住む処』なんて名前に入れる言葉じゃないでしょう！」とか、まあ誰もが『寿限無』を聴いて気になるところをほじくり返し、「そうだよねえ」と共感させる新しい噺として仕上げていた。
小せん師、「今私の中で天使と悪魔が戦っています。天使が『お前くらいはまともな古典をやりなさい』、悪魔が『もうどうなってもいいから歌っちゃうか』と。どっちがいいですか」と尋ねるも、客席からはどちらも同じくらいの反応。
どうしようかなあと思案顔ながらも、よし、と決めて話し始める。
『人形買い』は以前一之輔師で聞いたことがあるが、人形屋の小僧が聞いてもいないことまでべらべら話すところで終わっていて、ちゃんと最後まで聴いたのは初めて。なるほどこんな噺だったんだと思うと同時に、易や講談、神道の講釈と多彩な内容が詰まっていて、こりゃー演るのは大変だろうなぁと思う。
小せん師の飄々とした語り口のおかげか、さらっと聴きやすい。
百栄師、相変わらずふにゃふにゃとした話し方で、「えー、どうでもいい情報を話します。今13対0で巨人が負けてます」。うん仲入りの時に確認したから知ってる。ムキー。
「近くにラーメン屋さんがあって、そこがすごく美味しいんですけど、2人でやっていてひとりが巨人ファンなんでしょうね。『もう消そうよ』って言ってるんですけど、もうひとりが『いや、社長にスポーツ中継があったら流せって言われてるから』と言って消さないんですねえ」。うん、本当にすげえどうでもいいー。「でもそこのラーメン本当に美味しいんでよろしくお願いします」。なんだそれ。
噺は青春大学のサークル、キッス研究会のイメージトレーニング場面。
成功例がないという間違ったイメトレをしているところに、投げキッス研究会やらディープキス研究会やら間接キッス研究会やらの邪魔が入るというなんというかカオスな噺。どうやったらこういう噺を思いつくんだろう。
キッス研究会の先輩は爽やか、投げキッス研究会は一昔前のアイドル風、ディープキス研究会はワイルド、間接キッス研究会は変態と、それぞれ話しぶりが異なるのが面白い。
兼好師、ノラやに触れて「まだ若手の二ツ目の頃からいろんな噺を演らさせてもらった。実験的なこともやらせてもらったり、噺が完成していない状態でやってみたり。ノラやに育ててもらった噺家がいっぱいいる」と感謝の弁を。「その最たるものが百栄師匠でしょうねえ。……だからノラやさんには本当に責任をとってもらいたい。あの噺の後に何を演ればいいんだ」と毒舌＆愚痴を吐く。たしかにあれは強烈過ぎて後ろは大変だ。
そこでおさきのキャラクターが強烈な『厩火事』をぶつける。
この前ふたりで一本のとうもろこしを同時に食べて唇が触れたとか、『キッス研究会』の「薄目を開ける」というギャグを盛り込み、百栄師にも負けないほどの爆笑をさらっていた。
今日は五月晴れだが、朝曇っていたせいか昨日より涼しい。
バイクで走るのも気持ちいいが、ちょっと肌寒いかな。
於：なかの芸能小劇場
三遊亭けん玉『十徳』
寒空はだか 歌うスタンダップコミック
三遊馬萬橘『寿限無』
柳家小せん『人形買い』
春風亭百栄『キッス研究会』
三遊亭兼好『厩火事』
「五月猫」と書いて「ごがつびょう」と読むらしい。
もともとGWに高円寺のノラやで開かれていた会で、今年はなかの芸能小劇場がとれたため、歴代の出演者を集めて「同窓会」としているそうだ。
まずは主催者のひとりである恩田えりさんがご挨拶。
出演順がまだ決まっていないということで、出演者が全員私服のまま舞台へ上がり、くじ引きをする。
そののち出演順に一言自己紹介をして袖に引っ込む。
「漫談の寒空はだかです」
「漫談の三遊亭萬橘です。本当は落語家です」
「ミュージシャンの柳家小せんです」
「スタンダップコメディの春風亭百栄です」
「くじ運の弱い三遊亭兼好です」
いろいろと虚実入り乱れ、「初めてきた人のために」紹介をしているはずなのに余計ややこしくして開演。
まずは前座でけん玉さん。前はいろいろな噺を聴いていたが、最近は『十徳』に当たることが多い。
だいぶ固まったようで、以前に聴いたものとほぼ寸分違わず。
なにか工夫をする、というのはまだ早いのだろうか。
寒空はだか先生、「いつもくじで一番を引く」といい、過去に『爆笑オンエアバトル』に「映ったことがある」そうだが、そのときも5回中3回一番手だったらしい。
「ドラフトだったらすごいこと」らしいが。
コロコロと話題は変わっていき、最後は『東京タワーの歌』で締め。
最初から客席から手拍子がきたことにやや戸惑っている様子。「この歌は最初から手拍子が入るような歌じゃない。最初は客席が『これどうすればいいんだろう』と困って、2番からようやく手拍子が入るようなもの」とのこと。そんなこと言われましても。
萬橘師、名前をつけるところまでは普通の『寿限無』。
そこからは小学生くらいに成長した寿限無くんが「なんでこんな名前にしたんですか」と両親に食って掛かる噺に。
「なんで『寿限無寿限無』って繰り返すんですか」とか「パイポってなんですか。どこの国ですか。調べたけどそんな国ないじゃないですか！」とか「『食う寝る処に住む処』なんて名前に入れる言葉じゃないでしょう！」とか、まあ誰もが『寿限無』を聴いて気になるところをほじくり返し、「そうだよねえ」と共感させる新しい噺として仕上げていた。
小せん師、「今私の中で天使と悪魔が戦っています。天使が『お前くらいはまともな古典をやりなさい』、悪魔が『もうどうなってもいいから歌っちゃうか』と。どっちがいいですか」と尋ねるも、客席からはどちらも同じくらいの反応。
どうしようかなあと思案顔ながらも、よし、と決めて話し始める。
『人形買い』は以前一之輔師で聞いたことがあるが、人形屋の小僧が聞いてもいないことまでべらべら話すところで終わっていて、ちゃんと最後まで聴いたのは初めて。なるほどこんな噺だったんだと思うと同時に、易や講談、神道の講釈と多彩な内容が詰まっていて、こりゃー演るのは大変だろうなぁと思う。
小せん師の飄々とした語り口のおかげか、さらっと聴きやすい。
百栄師、相変わらずふにゃふにゃとした話し方で、「えー、どうでもいい情報を話します。今13対0で巨人が負けてます」。うん仲入りの時に確認したから知ってる。ムキー。
「近くにラーメン屋さんがあって、そこがすごく美味しいんですけど、2人でやっていてひとりが巨人ファンなんでしょうね。『もう消そうよ』って言ってるんですけど、もうひとりが『いや、社長にスポーツ中継があったら流せって言われてるから』と言って消さないんですねえ」。うん、本当にすげえどうでもいいー。「でもそこのラーメン本当に美味しいんでよろしくお願いします」。なんだそれ。
噺は青春大学のサークル、キッス研究会のイメージトレーニング場面。
成功例がないという間違ったイメトレをしているところに、投げキッス研究会やらディープキス研究会やら間接キッス研究会やらの邪魔が入るというなんというかカオスな噺。どうやったらこういう噺を思いつくんだろう。
キッス研究会の先輩は爽やか、投げキッス研究会は一昔前のアイドル風、ディープキス研究会はワイルド、間接キッス研究会は変態と、それぞれ話しぶりが異なるのが面白い。
兼好師、ノラやに触れて「まだ若手の二ツ目の頃からいろんな噺を演らさせてもらった。実験的なこともやらせてもらったり、噺が完成していない状態でやってみたり。ノラやに育ててもらった噺家がいっぱいいる」と感謝の弁を。「その最たるものが百栄師匠でしょうねえ。……だからノラやさんには本当に責任をとってもらいたい。あの噺の後に何を演ればいいんだ」と毒舌＆愚痴を吐く。たしかにあれは強烈過ぎて後ろは大変だ。
そこでおさきのキャラクターが強烈な『厩火事』をぶつける。
この前ふたりで一本のとうもろこしを同時に食べて唇が触れたとか、『キッス研究会』の「薄目を開ける」というギャグを盛り込み、百栄師にも負けないほどの爆笑をさらっていた。
今日は五月晴れだが、朝曇っていたせいか昨日より涼しい。
バイクで走るのも気持ちいいが、ちょっと肌寒いかな。
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