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よってたかってもりもり有楽町スペシャル'15 春「行くぜ新作、まいるぞ古典」 [落語]

よってたかってもりもり有楽町スペシャル'15 春「行くぜ新作、まいるぞ古典」
於:有楽町 よみうりホール

林家なな子『転失気』
柳亭市馬『雑俳』
三遊亭兼好『お見立て』
春風亭一之輔『茶の湯』
柳家三三『宿屋の仇討ち』

ちょっと思うところがあり、ちゃんとタイ語を習おうかと新宿にあるタイ語教室でまずは無料体験をさせてもらう。
これまではタイ人と会話をして覚えた片言のタイ語だったので、知らなかったルールがたくさんあった。初心者コースの1回のレッスンでこれなんだから、今までどれだけ適当なタイ語だったんだろうか。
新宿からバイクで有楽町まで。それにしても東京有楽町近辺の、一通一通右折禁止のオンパレードで行きたい場所に近づいているのになかなかたどり着けないのは何とかならないものだろうか。近道だと思って行ってみたら曲がることができなくて、どんどん遠くへ行ってしまう。ヘタな一筆書きより難しいんじゃなかろうか。

前座の後に現れたのはなんと落語協会会長の市馬師。しかも前座噺としてもよく掛かる『雑俳』。
そしてさらにミスった。
八っつぁんが詠んだ変な句にご隠居が突っ込むというのが噺の流れだが、八っつぁんが詠んだ句と違う句のツッコミが入ったため話が繋がらなくなってしまった。
んん? と思っていたら市馬師も気づいたらしく、苦笑しながら「お前さんもう少し稽古したほうがいいんじゃないのかい」とセルフご隠居ツッコミ。場内爆笑。
それにしても八っつぁんもご隠居も朗らかで楽しそう。市馬師の人柄がにじみ出ているような気がする。

兼好師、「市馬師匠はいつもならもっと深いところに出てたっぷり噺をしなきゃいけないのに、今日は一番手で持ち時間が20分。楽屋で『短い噺なにがいいかな、『雑俳』やっちゃおうか』なんてはしゃいでたんですよ。……それであのザマですから」「『雑俳』がちゃんとできるまでもう唄わないと言ってました」と市馬師をいじるいじる。また場内は爆笑。
噺は安定の面白さ。会場が数十人しか入らないところだろうが何百人も入るところだろうが変わらぬように演るのはさすが。
喜助が見立てた墓に「ポチの墓」が混ざっていたのが不意を突かれた。

一之輔師、「私は兼好師匠が上がっている時に楽屋に入ったのでよく知らないんですが、市馬師匠が泣いてるんですけどなんかあったんですか」と半笑い。「でもああいう名人でも間違えるんですから。そういうのを見ると勇気が出ます」と褒めてるんだかいじってるんだか。
一之輔師の『茶の湯』は何度も聴いたが、毎回新しいくすぐりが入っていて毎回どこか違ったテイストの噺になっている。
以前ある師匠から「一之輔くんのすごいところは新しいギャグを入れたら古いギャグを捨てることができるバランス感覚。これができないと、とにかくギャグがてんこ盛りになった『落研落語』になってしまう」と聞いたことがあるが、なるほどなあと思う。
私が聞いた中で新しいのは、ご隠居が実は昔は趣味を持っていたとして「芝居に凝っていて小僧をひとり壊した」とか「鍼に凝って幇間の一八に打った」など、『四段目』や『幇間腹』の若旦那の成れの果てだということ。なるほどそれなら無茶苦茶なお茶を他人に飲ませるサディステックさも納得できる。
三軒長屋の店子は登場するが、引っ越し騒ぎはカットされていた。

三三師、「楽屋で市馬師匠が」といっただけで爆笑が起こる。なんか愛されてるなあ。
「『しょーがねぇよなあ』っていって笑って弁当食ってましたよ。いやそうじゃなくて、『一之輔にあの噺の稽古をつけたのは俺なんだ』そうですよ。『……欠片もねえ』って言ってました」と暴露。それから袖の方を見て、「してやったりって顔をしてます」とさらに暴露。まあ確かに市場師の『茶の湯』ならキッチリとしてそう。少なくとも定吉がKKKの覆面に似た「茶茶茶」の覆面をかぶったりはしないだろう。
マクラもそこそこに噺に入る。
河岸の若い衆三人組の軽薄さと、威勢のいい江戸弁が気持ちいい。
最後の三人が縛られるシーンでは、逆さ吊りにまでされてしまうのがおかしい。

結局なんだかんだで市馬師が一番おいしいところを持って行っているような……。
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