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我らの時代 落語アルデンテⅧ 鯔背(いなせ)アルデンテ [落語]

我らの時代 落語アルデンテⅧ 鯔背(いなせ)アルデンテ
於:三越前 三井ホール

春風亭一力『たらちね』
春風亭百栄『ジャム浜』
三遊亭兼好『片棒』
春風亭一之輔『お見立て』
桃月庵白酒『禁酒番屋』

シュガーは昨日よりはやや元気が出たようで、食欲も戻ってきたようだ。カラーが邪魔なようなので手にとって水を飲ませたりご飯を食べさせたり。我ながら過保護だ。

ドイツに出張に出た後輩の仕事を引き継いだのはいいが、これがどうにもボリュームがありすぎて終わらないので休日出勤をする。土産はソーセージどころじゃ済まされんぞオイ。
まだ終わらないがまあなんとか目鼻は立ったので三井ホールへ。近所の日本橋亭にはたまにくるが、三井ホールは初めてだ。建築中だったのしか覚えていない。

一力さん、だいぶ上手になったなあと思うも、やっぱりなんか話し方にクセがあるんだよなあ。朗読っぽいというか平板というか。

百栄師、空耳で三題噺のお題をもらっているときに「百栄さん! 猫の噺!」とお題をもらうも「いや、いろいろ都合がありまして。というかもう半分噺に入っているというか……」とタジタジ。私も今日は2/22(にゃんにゃんにゃん)で猫の日だから猫好きの百栄師はそんな噺をするかと思ったのだが。
『ジャム浜』とタイトルは付いているが、結局ジャムは別に重要なアイテムではないような。前にも一度聴いたことがあるが、よくわからん……。
『芝浜』のパロディなのだが、やめていた酒を成功後にためらいもなく呑むところが面白い。

兼好師、久しぶりに聴く『片棒』。
金太郎、銀次郎の突拍子もない提案に、「ん、……ん?」と聞き直すおとっつぁんがどんどん半泣きになって行くのがおかしい。
特に銀次郎の「からくり人形踊り」は見事。カクカクとした動作は本当にからくり人形のように見える。ぱあっと明るく鯔背な様子は兼好師に合っている。
鉄三郎がやたらクールなのも面白い。菜漬けの樽におとっつぁんを入れて、「親『こうこ』」と鉄三郎から言うのは初めて聴く形。

一之輔師、昔は吉原に行って花魁が出てこなくても文句を言わない、というのが鯔背だったというところから。「それで次行ったときに文句を言ったら『やあね、スケベ』とか言われるというね。……スケベだよ! スケベだからそういうところ行くんだよ! 冗談じゃない!」と飛ばす。「男子高」じゃないぞ。
噺もいかにも一之輔師だなあというか一之輔節というか。
くどいほどいろいろと詰め込んでいるが、それがことごとく面白いから始末に負えない。ずっと笑いっぱなし。
「だりだ!」「喜助でございます」「おお、けえすけか」「いや喜助です」「けえすけだんべ」「喜助です」「けえすけ」「はいはい、もうけえすけでいいです」と喜助が折れていくのが笑える。
死んだというシナリオをスラスラと並べる喜瀬川へ「あなたもっと向いてる職業がありますよ」と妙な感心をしているのもおかしい。

白酒師、「あいつらあんな熱演しなくたって10分で終わる噺なのに」と相変わらず他の出演者に対して強力な毒を吐く。おそらくホールに退出時間があって、他の人たちが押したために白酒師の時間が短くなってしまったのだろう。
番屋の侍の酔っ払い方のグラデーションがお見事。
それにしても侍がすごく侍っぽいというか、特に酒屋へ訪れる酒呑みの近藤の雰囲気が、町人とは一線を画している。キリッと背筋が伸びているような、そんな感じ。何か大きく変わっているわけではないのに、空気が変わる。
番屋の侍も酔うに従って、門番に湯のみを用意するなどフランクになるのも楽しい。

このアルデンテ、いつも平日で悔しい思いをしていたのだが、ようやく行けて嬉しい。

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