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第408回 花形演芸会 [落語]

第408回 花形演芸会
於:国立演芸場

三遊亭萬橘『長短』
おしどり 夫婦音曲漫才
古今亭菊太楼『三方一両損』
柳家喬太郎『稲葉さんの大冒険』
小泉ポロン 奇術
三遊亭歌奴『子は鎹』

チケット救済サイトにて出品されていたものを購入する。
なぜか開演時間が14時だとばかり思い込んでおり、その前の用事を早めに切り上げたのだが開演には間に合わず。
前座多ぼうさんの『牛ほめ』と、時松さんの『五目講釈』を聴き逃してしまった。残念。

会場に着くと、萬橘師のマクラが始まったところのようだった。何度か聴いたことのある演目でもあるし、ロビーでお茶を飲みながらモニターで聴くことにする。
ライブ感はだいぶ薄れるが、表情などもよく見えて、これはこれでなかなかいい。テレビの演芸番組だとせわしくアングルが切り替わって落ち着かないこともあるが、アングルが固定というのもいい。
周りには同様にモニターで見ている人が数人いた。萬橘師の『長短』には、萬橘師のオリジナルして短七っつぁんのおかみさんが登場するのだが、そこにさしかかると「ええっ……!」とか「えーうーん……」とか呻いている人がいた。
その人にしてみれば改変は許せないことなのか、それとも好みの改変ではなかったのか……。私にしてみれば、その改変部分こそ一番面白いんだけど人の感じ方というものはいろいろあるものだ。とはいえわざわざ口に出さなくてもいいと思うのだけれど。

夫婦漫才のおしどりは関西出身で東京進出して2年程度らしく、有名な人の弟子なのだそうだ。
ただそう言われても東京の人間にはなじみがなく、反応としては「……」。
奥さんのほうがアコーディオンを弾き、ダンナはそれに合わせて踊りながら針金アートを見せるという形。紙切りのようにリクエストも受け付けていた(リクエストは「ウチのネコ」。なんだそれ)。
ダンナは高い声を出しながらクネクネとした動きでアート系のネタをする、というのは完全に「もう中学生」と被っているような……。
あとなぜか途中からロシアの電子楽器テルミンが登場し、アコーディオンとのデュオ。実物を見るのは初めてだけど、これいるかなぁ? 針金アート一本のほうがいい気がする。

菊太楼師は二ツ目の菊可さんの時に『ぽっどきゃすてぃんぐ落語』でよく聴いていて好きだったひとり。
実際に聴きに行こうと思い、確か黒門亭の「光る二ツ目の会」だかに行ったのだが、どうやらすっぽかしたらしい。代わりにたまたま落語協会に来ていた桂吉坊さんが、戸惑いながら高座に上がって『もぐら泥』を演っていたのを覚えている。で、それっきりなんとなく縁がないまま現在に至る。
二ツ目のときの印象と変わらず、歯切れのいい口調で聴いていて心地よい。
特に『三方一両損』は好きな噺なので楽しく聴けた。

喬太郎師の新作を高座で聴くのは久しぶり。
平凡で毎日決まった時間に会社に行き帰ってくる稲葉さんが、誕生日に最寄り駅で風俗のティッシュを貰ってしまうところから話が始まる。
家に持ち帰れないため公園の植え込みに埋めてしまおうとするのだが、その際に「木の枝で地面を掘る仕草をするなんて俺くらいだろうな」とか「私数日前に脇腹の筋を痛めてしまいまして……今はいいんです、これくらいはできます。心配なのは今日この後の浅草のトリです」などとつぶやいていた。
途中から登場するおせっかい焼きの爺さんのキャラクターが強烈で、ずっと笑いっぱなし。

ポロンさんはセクシーなスリット入りの真っ赤なドレスで登場。
主に人の行動を予言するといった「サイキック・マジック」を披露する。
最近はマジックの本場ラスベガスでもこのような見た目が地味なマジックが主流なのだそうだ。
「ここをラスベガスと思ってください、上を見ればネオンが……」というのだけれど、どう見ても提灯です、本当にありがとうございました。

歌奴師も『ぽっどきゃすてぃんぐ落語』で好きだったひとり。何度か聴きに行ったけれど、真打になってからなぜかぷっつりと行かなくなってしまった。これもまったく縁としかいいようがない。
で、この『子は鎹(子別れ・下)』も『ぽっどきゃすてぃんぐ落語』で配信されていて、遊馬師の『井戸の茶碗』と並んで何度も聴いた一席。落語を聴き始めた頃、「落語って面白い」と思った噺だった。
中身はその当時とほぼ変わらず。当時二ツ目としては突出していたと思うし、すでに固まっていたのだろう。

そういや萬橘師も『ぽっどきゃすてぃんぐ落語』『ニフティ寄席』によく出演していたっけ。
ちょっとした同窓会のよう? そう考えるとやっぱりニフティの担当者の眼力はかなりすごかったんだなぁ。
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